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《 施工のポイント 》 |
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【 弾性接合方式プレキャスト樋門 】 |
弾性接合方式の要は、FBゴムの圧縮である。接合部の弾性と水密性を確保するためには、FBゴムをいかに精度よく所要量圧縮するかが最重要ポイントとなる。圧縮量が小さいと少しの函体変位でも水密性を保てなくなり、また、大きすぎるとせん断変形量が減少し、地盤変形への追随性が悪くなってしまう。当然、設計通りの性能を期待するためには、設計通りのFBゴムの圧縮、mm単位の精度が施工に要求される。FBゴムの圧縮は具体的にはPC鋼材の緊張によって実現するが、圧縮をスムーズに効率良くするために、施工には工夫を施している。それは、摩擦低減処理工法である。均しコンクリートと函体底面の間に直接、あるいは、アウトリガーを設けて、シートやベアリングその他様々な摩擦低減材を使って、底版の摩擦力を低減するものである。緊張管理には、その前準備の段階である摩擦低減処理工法の管理段階から細心の注意が必要なのである。 |
FBゴムの圧縮量の管理には、 ノギスを用いて直接函体の間を 測る方法で行っている。 |
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★ Key point & Photo (キーポイントと写真) |
【 緊張前全景 】 緊張作業前の正面からの状況。
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【 摩擦低減処理工法(アウトリガー+ベアリング) 】 函体脇にレールを敷き、ベアリング(鋼球)を撒いた上にアウトリガーを 装着した函体を敷設する。 摩擦低減処理工法は使用する材料により、摩擦係数に差がある。 また、摩擦係数は導入緊張力に影響を及ぼすため、施工には細心の 注意が必要である。
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【 油圧ジャッキ 】 通常はセンターホール型ジャッキを使用する。 使用するジャッキの選定は主に導入荷重によるが、その他に、 緊張材の伸び量、マンションの径、その他状況に応じた、最大ストローク、 ラムチェア内径、内長等を選定する必要がある。 (写真は、ジャッキ本体とラムチェア) |
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【 テンションバー 】 テンションバー、テンションナット、緊張カップラーで構成される。 テンションバーは使用するジャッキとラムチェアにより、テンションナットは テンションバーによって選定する。緊張カップラーは緊張材のマンションに 応じたものを使用する。 (ここでは定着方式がねじ式で、テンションバーを使用しているが、 くさび方式等、緊張方式の違いによって、使用機器も異なる。) |
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【 ゲビンデ 】 インナーボルト用カップラー、ゲビンデ棒、ナット(支圧板)で構成される。 ゲビンデは、テンションバーによる緊張の前にマンションを引き出すために 使用する。
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【 油圧ポンプ 】 油圧ポンプは、ジャッキの規格、使用台数に応じたものを使用する。
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【 定着具 】 定着具はPC鋼より線をコンクリート部材に定着し、プレストレス力を 伝達するための器具である。 (写真は、くさび型定着具であり、スリーブとウエッジから成る) |
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【 緊張材(挿入状況) 】 緊張完了時の函体と緊張材の配置のために、緊張前の緊張材 (マンション部)は函体の内側へ入り込んでいる。
(設計)緊張力を与えることにより、所定の緊張材の伸び量と 全函体(FBゴム)の圧縮量を確保し、設計函体長とする。
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【 インナーボルト用カップラー 】 インナーボルト用カップラーはマンションのインナーボルトを用いて 緊張作業を行う場合に用いる治具である。 (写真は、インナーボルト用カップラーとロードセル固定金具付き支圧板)
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【 ゲビンデの装着 】 インナーボルト用カップラーにゲビンデを装着し油圧ジャッキをセットする。
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【 一次緊張 】 テンションバー(緊張カップラー)で本緊張が出来る程度にマンションが 出て来るまで、インナーボルト用カップラーとゲビンデで緊張する。 |
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【 インナーボルトの切断 】 ゲビンデによる緊張が終了後、緊張カップラー装着時にインナーボルトが 邪魔になる場合に切断する。或いは、全緊張作業終了後に切断する。
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【 テンションバー及びジャッキの装着 】 マンションにテンションバーを装着し油圧ジャッキをセットする。
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【 二次緊張(本緊張) 】 導入荷重まで緊張する。ここで、緊張材の数とジャッキの台数により、 数ステップに分けての緊張作業が必要となる。
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【 緊張完了 】 導入荷重まで緊張することにより、函体は圧縮され、緊張材は延伸される。
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【 見学会風景 】 弾性接合方式プレキャスト樋門は注目度が高く、見学会では どこの会場においても各種団体が数多く訪れ盛況である。
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【 緊張完了後函体全景 】 緊張完了後の函体全景。 北海道等、日本北部の現場では仮設に雪を避ける防護シートを全体に施し、 ヒーター(バーナー)で作業場全体を暖めて作業を行っている。
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【 川表翼壁 】 函体だけでなく翼壁もプレキャスト化が進んでいる。 「オールプレキャスト樋門」。
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【 函体全景 】 函体全景。
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